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むしとり日記2

虫と遊んだ日記です。新たに”2”スタートしました。
by shimabito2

オオムラサキ@南限産地

1月4日
九州北部2産地のオオムラサキを見ることができたので、南限産地に行ってみようと計画してみました。情報を頂いて、どんな場所だろうと考えるとワクワクします。

保育社の『原色日本蝶類生態図鑑(Ⅲ)』、この本の初版は昭和58年です、を見ると南限は宮崎県小林市三宮峡となっています。そして、『日長と温度の微妙なアンバランスが分布の南限を規制する要因となるのかも知れない。』と書いてありました。温暖化といわれている昨今ですので、南限があがってしまうのかな?という想像をしてしまいます。オオムラサキは台湾にも分布します。台湾のどんな所に住んでいるかは知りませんが、高温に弱いのならば高い山に住んでいるのかななどと想像が膨らみます。

また、ネットで「オオムラサキ 南限」と検索すると宮崎県・野尻町という地名が出てきます。ちなみに西限は鹿児島県・出水市だそうです。この北緯32度近辺が分布の限界とのこと。この*限界*という言葉は私を引きつけます。これから先は未知というのは、とっても良い響き。

さて、ETCの早朝割引を利用すべく、とっても早く家を出たので、かなりゆっくり走ったのですが、薄暗いうちに目的の野尻町に到着してしまいました。車で一休みした後に探索開始です。
探す木は榎です。細くて越冬芽があるかないかよく分からない樹形と木の肌で判断するのですが、近づくとケヤキなんてことが良くありました。過去二回の探索から、オオムラサキのいそうな環境をなんとなくつかんだので、今回は、よさげな環境を歩き、落ちている榎の葉っぱから木を探してみました。小さな榎はあるのですが、手ごろな榎は見つかりません。どこかないかと探していくうちに、これは!という木がありました。見つけたのも同然と思ったのですが、発見することは出来ませんでした。さらに先に進み、これもなかなかという木があったのですが、いたのはゴマダラチョウだけでした。南限のオオムラサキの産地に住むゴマダラです。当然といえば当然なんでしょうが混生しているんですね。
オオムラサキ@南限産地_e0067523_16501394.jpg
南限産地に未練はあったのですが、時間を多く使い、成果ゼロ。この産地はもう少し北から飛来した個体から、たまたま発生したのか、確実に発生しているのか不明ですが、私には難易度が高かった様子。
もう少し北上して小林市に行ってみました。こちらは、原生林が残る川筋です。ヒサマツミドリシジミが出てきそうな場所でした。
オオムラサキ@南限産地_e0067523_1771645.jpg
榎を探しながら、歩いたのですが行きは見つけることは出来ませんでした。復路にルートを多少変更して榎を発見。周りに落ち葉は少なく、どうかなぁと葉っぱをひっくり返すと念願のオオムラサキ幼虫を発見できました。南限に近い産地のオオムラサキは、渓谷に住んでいました。
オオムラサキ@南限産地_e0067523_17101738.jpg

さらに北上して須木村に行ってみました。こちらは、「九州の蝶ガイドブック」に紹介された場所ですが、詳しくは見ずにこの辺かな?と探索です。こちらは川幅が結構広く、河原には柳が生えていました。探しはしなかったのですが、コムラサキがいそうな環境です。(いれば多分クロコムラです)。歩いていると大きなウラジロガシが倒れていました。もしかして、ヒサマツ?と探してみましたが、ありませんでした(記録があるかどうかは知りませんが、もしかしたら?と探してみるのは基本と考えています)。
ちょっと川幅が広すぎて、イメージには合いませんが榎が1本あったのでチェックしたところ、オオムラサキがちょこんとくっついていました。中央の大きな木です。
オオムラサキ@南限産地_e0067523_17335690.jpg
この木の横の環境はこんな感じ。
オオムラサキ@南限産地_e0067523_17344667.jpg

かなり、開けた場所にもいるんですね。ひとつ勉強になりました。次にいこうかとも思ったのですが、帰りの渋滞が予想されるので、早めの撤収です。交通量は多かったのですが、動かなくなるほどの渋滞はなく、すんなり帰宅できました。

by shimabito2 | 2006-01-06 16:34
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